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【JR紀勢本線】紀伊半島沿岸をぐるり

南国の明るく強い日差しの中、紀伊山地の山々と海岸線の間をすり抜けるように走る「パンダくろしお」。写真/アフロ

独特の景観が続く車窓 熊野古道散策も楽しめる

 紀伊半島の海岸線沿いを走る紀勢本線。そのうち和歌山〜新宮駅までの54駅、総延長200.7㎞の路線は「きのくに線」の愛称で親しまれ、海岸線や梅やミカンの花など、四季折々の美景が広がる。特に「南紀熊野ジオパーク」県南部エリアは、車窓からも奇岩や独特の地形のジオサイトを眺められる場所があり、ここにしかない景色を楽しめる。

熊野古道・高野坂
登り口すぐの高台は熊野灘とアカウミガメが産卵する海岸と線路が一度に視界に入る眺望スポット。写真/アフロ
(交)新宮駅からバス約8分、「大浜」下車すぐ
橋杭岩
串本〜紀伊姫間の車窓から見られる、約850mにわたり大小の杭状の岩がそそり立つ名勝。
(住)串本駅から徒歩20分

 この路線の名物列車といえば、特急くろしおのラッピング車両「パンダくろしお」。現在は3編成で運行する、老若男女に支持される人気列車だ。2017年、アドベンチャーワールド開園40周年とJR西日本発足30周年を記念し、「旅に『ときめき』を」をコンセプトに車両をラッピングした「パンダくろしお『Smileアドベンチャートレイン』」が運行をスタート。車両先頭部にはインパクトのあるパンダフェイス、車体側面はパークで躍動するパンダやホッキョクグマなどの動物たちがデザインされ、内装のパンダ柄ヘッドカバーも可愛らしい。
 列車に揺られて南紀白浜へ向かい、本物のパンダたちに会いに行ってみよう。白浜駅近くのアドベンチャーワールドでは現在7頭のパンダが暮らしており、2020年に生まれたパンダ「楓浜」もすくすく成長中。屋外運動場などで遊ぶ姿は見ているだけで癒やされる。

パンダくろしお
運行区間 京都・新大阪~新宮
「パンダくろしお」内装

 また、117系電車を改造して誕生した観光特急列車「WEST EXPRESS 銀河」も、昨夏から秋にかけて紀南を駆け抜けた。その際は、途中下車してご当地グルメ・和歌山ラーメンを食べたり、橋杭岩に立ち寄ってジオガイドの解説付きで鑑賞したりと沿線地域の魅力を体感できる趣向が盛り込まれた。引き続き、今年10月から来年3月までの運行が決定したので、乗りそびれた方もご安心を。より景色が楽しめるよう窓側の席数を増やすなど設備はパワーアップ。さらに、新宮発昼行列車の京都着時刻が早められ、首都圏方面へのアクセスがもっと便利になる予定だ。

WEST EXPRESS 銀河
運行区間 京都・新大阪~新宮
運行期間 2022年10月~2023年3月(予定)
列車種別 京都→新宮(夜行列車)、新宮→京都(昼行列車)
「WEST EXPRESS 銀河」内観

【立ち寄りSPOT】

スハネフ14-1
日本のアマルフィと称される雑賀崎と、漁船から直に魚を買える人気の雑賀崎漁港が一望できるカフェバー。マスターが集めた鉄道グッズ、精魂込めて制作するジオラマも堪能でき、鉄道好きなら時間を忘れられる空間だ。
(住)和歌山県和歌山市雑賀崎1827-1
(交)和歌山駅からバス約40分、「小浜口」下車徒歩2分
(営)12:00〜23:00  (休)木曜日
有田川鉄道公園
蒸気機関車「D51 1085」が迎えてくれる有田川沿いの公園。旧有田鉄道の線路が残り、当時活躍した「キハ58003」と「ハイモ180 101」が動態保存されている。車両に乗車体験できる日も。園内の交流館には往時の風景を再現したジオラマもある。
(住)和歌山県有田郡有田川町徳田124-1
(交)藤並駅からバス約12分、「こころの医療センター前」下車徒歩12分
(営)午前10時~午後5時
(休)毎週水曜日・木曜日(ただし、祝日の場合は営業)、年末年始
交流館入館料:大人(高校生以上)200円、小人(小学生以上)100円
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