■「七不思議」の端緒となった寺……大中寺(栃木県)

ある修行僧が疲れたために竈の中に入って寝ていたところ、それを知らずに誰かが火をつけてしまい、修行僧は焼け死んでしまった。
その後、夢枕にその修行僧が現れ「最初から火さえついていれば、こんなことにはならなかった」と言ったため、それ以降は火を絶やさないようにしたという。
その他の七不思議は、「油坂」「根なしの藤」「馬首の井戸」「不開の雪隠」「東山一口拍子木」「枕返しの間」。いまも境内にそれらの逸話に関する史跡が残る。ここから全国各地で七不思議が流行り始めた。
■庶民に親しまれた怪談スポット……置行堀(東京都)
釣った魚を持ち帰ろうとすると、堀の中から「置いてけ、置いてけ」と声が聞こえ、逃げ帰ると魚が一匹もいなかった、という話。
現在も、清澄通り沿いには史跡案内板が置かれている。
■禁足地と畏怖された……八幡の藪知らず(千葉県)

■天守に怪異が住むといわれる……姫路城(兵庫県)

ちなみに、1779年に刊行された鳥山石燕の妖怪画集では、長壁姫はコウモリを従えた老女の姿で描かれている。
■冥界への入り口……六道の辻(京都府)
■最古の化物・がごぜが現れた……元興寺(奈良県)

「画図百鬼夜行」のような古典の妖怪画では、がごぜは僧形の鬼の姿で描かれる。
WRITTEN BY
飯倉 義之
いいくら・よしゆき
1975年、千葉県生まれ。
國學院大學大学院修了後、国際日本文化研究センター機関研究員等を経て、現職。専門分野は口承文芸学、現代民俗論。怪異・怪談、妖怪伝承に造詣が深く、妖怪をこよなく愛し、研究室は全国で集めた妖怪グッズであふれている。著書に『鬼と異形の民俗学』(ウェッジ)など多数。
いいくら・よしゆき
1975年、千葉県生まれ。
國學院大學大学院修了後、国際日本文化研究センター機関研究員等を経て、現職。専門分野は口承文芸学、現代民俗論。怪異・怪談、妖怪伝承に造詣が深く、妖怪をこよなく愛し、研究室は全国で集めた妖怪グッズであふれている。著書に『鬼と異形の民俗学』(ウェッジ)など多数。
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