現在は競馬でよく見るが、古くは家畜や戦に用いられた
現在では、馬と言えば競馬でよく見るが、古くは家畜や戦に用いられた。戦場で大きな役割を果たす馬は重宝された。特に、甲斐国の武将武田氏の騎馬隊は有名である。また、それらの馬を放牧するために全国各地に牧場も置かれていた。
「馬」が付いた名字は多く、馬(うま)・馬木(うまき)・馬坂(うまさか)・馬体(ばたい)・馬〆(まじめ)・馬締(まじめ)・馬目(まのめ)・馬面(ばめん)・馬川(うまかわ)・馬原(まはら)・馬越(うまこし)・馬養(うまかい・まがい)・神馬(じんば)・二馬(ふたば)・馬欠場(うまかけば)・馬飼野(まかいの)・馬見新(まみしん)・馬場先(ばばさき)・馬男木(まなぎ)・流鏑馬(やぶさめ)などがある。
「二馬」という名字の由来は現実の馬ではなく、夢の中の馬である。数百年前、二馬家の先祖が初夢で、道に迷い暗中模索している時に二頭の馬が現れ、その馬が道案内をしてくれて無事に帰ってこられた夢を見た。夢の中とはいえ、初夢で縁起が良いことからそれまで名乗っていた名字を「二馬」に変えたと伝えられている。
正に、夢のような名字である。また、牧場に関する名字も多く、牧(まき)・巻(まき)・牧野(まきの)・牧岡(まきおか)・荒牧(あらまき)・御牧(みまき)・小比類巻(こびるいまき・こひるいまき)などがある。その他にも、馬に関係がある名字では、鞍(くら)・鞭(むち)・鬣(たてがみ)・蹄(ひづめ)・手綱(たづな・てづな)などが存在している。
WRITTEN BY
高信 幸男
たかのぶ・ゆきお
名字研究家。1956年、茨城県大子町生まれ。
高校の時から名字研究を始め、全国を旅しながら名字の由来やエピソード等を取材している。主な著書に『難読希姓辞典』『名字歳時記』『珍名さん』など。日本家系図学会員、茨城民族学会員、日本作家クラブ会員。
たかのぶ・ゆきお
名字研究家。1956年、茨城県大子町生まれ。
高校の時から名字研究を始め、全国を旅しながら名字の由来やエピソード等を取材している。主な著書に『難読希姓辞典』『名字歳時記』『珍名さん』など。日本家系図学会員、茨城民族学会員、日本作家クラブ会員。
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