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日本の常識は世界の非常識? 入浴にまつわるお国事情|「親子でお風呂」は海外では犯罪に!?

日本では当たり前でも、外国人からは「珍しい」「変わっている」と見られる風習というのは、往々にしてある。ここでは入浴にまつわるお国事情を紹介したい。

日本では「親子で入浴」はコミュニケーションの一環だが…

 共働き家庭が珍しくない現代では、男性も積極的に家事や育児に取り組むことが求められている。「イクメン」という言葉もすっかり定着した。母親は家事をおこない、そのあいだに父親が子どもと一緒にお風呂に入るという家庭も少なくない。

 日本では、親子でお風呂に入ることはほほえましいとされ、パパが小さな娘とともに入浴するというのは何も不思議なことではない。しかし、わが子とはいえ、性別が異なる場合は何歳まで一緒に入れるかという議論がたびたび起こる。

 銭湯などの公衆浴場では、条例によって異性の浴場に入ることが許される年齢が決められている。地域によって異なるが、9~11歳を境にNGとなるのが一般的だ。家庭ではこの限りではないものの、これにならって小学校中学年を目安に一緒に入らなくなるケースが見受けられる。

 風呂には体を清潔に保ち、温めるという役割があるが、親子でコミュニケーションを取る場としても役立つ。湯船につかりながらその日の出来事を話したり、スキンシップを楽しんだりした経験は多くの日本人にあるのではないだろうか。

 しかし、海外では異なるので注意が必要だ。入浴は非常にプライベートな行為であり、親子であってもともに入ることはほとんどない。そればかりか、性的虐待を疑われることだってあるという。乳幼児の場合は親が体を洗うことはあるが、裸で一緒に入浴はしない。

約半数の訪日外国人が日本の温泉に興味あり

 そもそも、浴槽に湯を張って中に入るという行為をする国は、少数派とされる。風呂は汚れを落とす場所だからシャワーのみでよい、という考えもあるし、水資源が貴重な国では毎日湯につかることが難しいこともある。

 スパのような施設は各地でも見られるが、水着を着るのが一般的。日本の混浴風呂のように男女が全裸でともに入浴することはもちろん、同性同士でも裸を他人に見せることには抵抗があるようだ。

 こうした風潮はあるものの、最近では銭湯や温泉に興味を抱く外国人は少なくない。「DBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査(2021年版)」によれば、約5割の訪日外国人が訪日旅行で体験したいこととして「温泉への入浴」という項目をあげている。

 いまではインターネットが発達し、事前に入浴マナーなどを知ることができるが、それでも日本の公衆浴場のシステムを理解していない外国人が見られる。そこで東京都浴場組合では、外国人を対象にした銭湯入門塾を開催。銭湯の歴史やマナーなどをレクチャーしている。こうして国際交流ができるのも、日本における風呂の新しい役割なのかもしれない。

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