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死ぬまでに絶対行きたい! 至福の温泉ベスト30 ~訪れた温泉は前人未到の8750湯。温泉チャンピオン・郡司勇さん監修|ちょい出し『一個人』秋号

 好評発売中の一個人秋号の記事をちょい出し!
 温泉チャンピオン・郡司勇さんが選んだ至福の温泉ベスト3掲載の一個人秋号。訪れた温泉は前人未到の8750湯の温泉通が語る”名湯”のすすめとは?

あなたにも体験してほしい名湯に出会う喜び

 今回、「死ぬまでに絶対行きたい!至福の温泉30」を決めるという御題であるが、選ぶのは至難の業だった。それでも読者の方にとって指南となればと願って選んでみた。また、ランキングは優劣をつけるものではない。全国の素晴らしい湯を紹介するためで、さほど有名ではないけれど、おすすめしたい温泉も入れている。
 もともと私は、オフロードバイクで全国を回っていて、そのときに旅の疲れを癒すとともに温泉を回っていた。1980年代のことである。スマートフォンはおろか、まだインターネットが普及する前の時代だ。地図を持って、日本全国を回り、行った温泉はマーキングしたり、書き込みをしたりしていた。そして一度行った温泉は、次は確認のために訪れる、これを繰り返してきた。そうして知り得たのが、川沿いなど自然に湧き出ている野湯だ。手つかずの、これぞ本物の温泉といった野湯に出会ったときの達成感は忘れない。とはいえ、一般の方にはなかなかアクセスが難しい面があるのも事実。本誌では行きやすいところを選んでみた。

良い温泉の条件とは源泉掛け流しに尽きる

 私は泉質では、浴槽にうろこのように析せき出しゅつ物ぶつがこてこてに固まって、キャラメルみたいについているのが好きだ。昔でいうと重炭酸泉、今でいうとカルシウム、マグネシウム、炭酸水素泉。あれは長年ずっとそこに温泉がかけ流しされているからできる貴重なものだ。大分県の長湯温泉など、ややぬるめの炭酸泉は至福の気持ちになる。
 そして、源泉掛け流し。温泉の天然記念物ともいえ、それを体感できるときが至福のときであるかもしれない。源泉掛け流しの温泉がある施設は、旅館や日帰り温泉センター、公共湯などさまざまだ。
 源泉掛け流しは温泉において絶対ではない。しかし、温泉を選び楽しむための条件になり得る。そこで、私は「源泉掛け流しを守る会」を作り、優れた温泉を評価し、知ってもらう活動もしている。定義としては、一切加工せずに浴槽に掛け流しされている、循環、殺菌、加水をしていないこと、貯湯タンクを用いていないこと、または源泉が湧出したまま浴槽に放流されているものとする。自噴か動力揚湯であるかは問わない、ことを挙げている。
 私のウェブサイトでは、源泉掛け流しの温泉地についてリストアップし、リンクもはっている。ベスト30とあわせて大いに活用してほしい。

温泉チャンピオン 郡司勇さん
温泉研究家、一級建築士。全日本温泉研究会会長。30年近く続けている温泉巡りが令和2年9月現在で約5600温泉地、約8000施設を数える。泉質重視の姿勢は他の追随を許さず、テレビチャンピオン「温泉通」3連覇を達成した。得意技は利き湯で飲泉により全国の温泉をほぼ確定できる。温泉は新鮮さが重要と考え、長年の観察により掛け流しか循環か、一瞬で判定できる。一級建築士を活かし各地の温泉施設の浴槽、浴室の改修を手掛ける。好きな温泉地は別府、万座。テレビや雑誌の温泉解説は数多い入浴体験から独自温泉論を展開し評判。全日本温泉研究会では長年蓄積してきた知識経験を基にWEB講座も開設中。近著に「究極の温泉」がある。
オールアバウトドットコム 「温泉のガイド」
http://allabout.co.jp/travel/hotspring/
全日本温泉研究会
http://onsen-ken.jp/

地図製作/ジェオ 文/羽根則子

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