「ふるさと納税」を通じた寄付が地域活性化の一助になって久しい。申し込み期限が迫り、寄付者が急増するこの年末に、改めて「ふるさと納税」制度の現状と、その可能性について考えたい。
ふるさと納税は「寄付」。そして税金の使い道を選べる制度
12月の最終週は例年「ふるさと納税」の申し込みが最盛期を迎える時期である。寄付の可能上限額も確定し、まさに今…と検討中の方も少なくないだろう。
ふるさと納税ポータル大手『ふるさとチョイス』を運営するトラストバンクによれば、寄付経験のある方はすでに3割を越え、ふるさと納税が着実に浸透してきていることがわかる。
「ふるさと納税」は、全国から地域への寄付を募ることで地域の課題解決を推進し、寄付者は寄付額に応じて住民税や所得税の控除・還付を受けられる制度である。そして、寄付に対しては、一般的に返礼品とも呼ばれる地域からの「お礼の品」を受け取ることができる。
しかし、最近では「モノ」だけではなく、「コト(=体験)」によるお礼が前年比で2倍近く増えているといった変化もあり、より多くの選択肢から寄付先を選ぶことができるようになってきている。
そして、その選択肢には自然災害などの被害を受けてしまった被災地への支援も含まれる。ふるさと納税によって「災害支援」が可能となっていることも、ぜひこの機会に知っておいていただきたい。
上のグラフはトラストバンクが実施したアンケート結果である。ふるさと納税未経験者には「手続きに関する不安」を感じている人が多いようだが、今は『ふるさとチョイス』のようなポータルサイトから、だれでも簡単に寄付できるようになっている。
特にこの時期は寄付金額やテーマに合わせた「特集」が組まれていることも多く、はじめての人にとっても寄付がしやすい状況だと言える。
寄付の先にいる事業者・生産者の想いを知る
また、アンケートからは、寄付者がその使い道を選ぶことができる制度であることへの関心が大きいことが窺える。
実際に「お礼の品」を伴わない地域課題解決に対しても、「共感」や「納得」といった「想い」を根拠とした寄付が増えており、こうした寄付者の気持ちは、地域の人々の誇りや自信にもつながっていくことだろう。
「応援したい地域がない」と感じている人にとっては、ふるさと納税の活用事例やその背景について知ることが有効かもしれない。
12月28日に行われた、トラストバンクによる「出張・ふるさと納税寄付申 込みサポート」イベントでは、多くの入場者とともに事業者や生産者もオンライン・オフラインによって集まり、話を聞かせてくれた。
彼らの地域に対する熱い想いや、課題に向き合う真摯な姿を知ることで、受け取る「お礼の品」の見え方や価値が変わり、寄付への納得感も増すことだろう。
あなたの寄付が、誰かのふるさとを元気にする
このように、寄付を通じた「想い」や「つながり」がうまれることも、ふるさと納税の魅力であり、このような共助の輪がさらに広がることが今後も期待されている。また、そのための新たな取り組みも存在する。
例えばトラストバンクでは、コロナ禍の影響を受けながらも新たな挑戦を行う全国の事業者や生産者を支援することを目的に、『Power of Choice project ~私たちの選択が地域事業者の力になる。~』を実施している。
これは、事業者や生産者へ寄付金額の0.5%相当(上限5,000万円)をトラストバンクが売上から積み立てて、支援金として届けられるプロジェクトであり、エントリーした寄付申し込み者にはNFTアートがプレゼントされるという。
共感や応援といった想いやお礼の品、NFTアート…寄付のきっかけが何であれ、寄付を通して地域の課題やそれに向き合う人の存在を知ることの意味は大きい。
ふるさと納税は、その活用法や寄付者のマインドともに変化、進化を続けているが、自分の、そして誰かのふるさとである地域を元気にすることができる制度であることに変わりはないのだ。