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玄米の『真の価値』はどこに詰まっているのか|知られざる〝健康パワー〟の秘密。

 日本の食文化に深く関る米。こと〝玄米〟は、健康効果が期待できる栄養が詰まっている。

肥満や糖尿病になるのは、精米され過ぎた白米を食べているから

 日本人の主食として不動の地位を確立している米。その歴史は古く、我々の先祖は縄文時代から栽培していたと考えられている。

 現代の技術で精米され、ふっくらと炊き上げられた真っ白なご飯は、見るだけで食欲をそそられ、実際に美味しい。そして生命・生活活動を行うために欠かせないエネルギー源となっている。しかし近年は、米飯に代表される炭水化物の摂り過ぎによって、肥満や糖尿病のリスクを高めると言われていることも事実だ。

 実はこれ、我々人間にとって食味や食感を悪くする糠や胚芽などを取り除き、炭水化物だけになった米を食べているから。元来、植物の種子である米の糠や胚芽などには、これから成長するための養分、つまり人が食しても健康になるための成分が含まれていると考えられるようになってきている。

 実際にハーバード公衆衛生大学院の約20万人を対象とした研究によると、1日50gの白米を玄米に置き換えた場合、糖尿病のリスクが84%も減るという結果が出ているという。また、精製された真っ白な小麦粉で作られたパンよりも、全粒粉を使った物を食べている人のほうが、糖尿病や心臓血管疾患による死亡率が低いといったデータもある。

 理屈としては、玄米や全粒粉だと小腸で吸収されにくくなり、糖質の吸収が緩やかになるし、大腸まで届き、腸内細菌のエサとなり、様々な健康効果をもたらすからと考えればいい。自然な食品、例えば玄米食を始めると、2〜3ヶ月程度で、便通が良くなったり、口内炎が改善したりといった効果が感じられるといったデータもある。

加工玄米は胚乳と呼ばれる澱粉層に、胚盤と破砕細胞群、亜糊粉層が残った玄米や白米のこと

誰もがよく理解していない『白米』と『玄米』の違い

 しかし、我々が〝美味しい〟と感じるのは白米。正直言って、玄米や発芽玄米は炊くのが面倒だったり、食味や食感が悪かったりして食べにくく、また食べても消化吸収されないと無意味である。

 そこで今注目を集めるのが『加工玄米』の存在。健康成分を残しながら、食べやすく加工したものだ。

 つまり『加工玄米』は、右のイラストのように、「亜糊粉層」や「破砕細胞群」、「胚盤」が残った白米や「表皮(ロウ層)」のみを取り除いた状態のもの。人が食べると健康になれる成分が、この3つの部分に含まれていると考えられている。

 こうした加工を施された加工玄米には、主にエネルギー源となる澱粉だけでなく、腸内環境の調子を整えるために必要な食物繊維も残されている。また、ビタミンB群やビタミンE、γオリザノール、ミネラル類も含まれ、我々の体に様々な好影響を与えてくれるのだ。

 これと言った病気も原因もないのに、〝どうも体の調子が優れない〟、〝何となくやる気が出ない〟など、漢方医学で言うところの〝未病〟状態の人は、毎日食べている米を加工玄米にすると、症状が改善されていくかもしれない。まずは1〜2ヶ月くらい、試しに始めてみるといい。きっと体調の変化を実感できるはずだ。

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