一度は聞いたことがあるであろう「ナノイー」。なんとなく、「空気をキレイにしてくれるもの」という印象ではないでしょうか?2003年に出荷が始まったナノイーですが、なんと2024年6月に累計出荷台数1億個を突破したそうです。20年強の間に1億個とはかなりの数。一体ナノイーにはどれほどの効果があるのか、ナノイーを生産しているパナソニック彦根工場(滋賀県)におじゃましてきました!
取材・文◉一個人編集部
生活のあらゆる場面で活躍するナノイー
ナノイーは、空気清浄機やエアコン、冷蔵庫といった白物家電、ドライヤーなどの美容家電のほか、電車や自動車、エレベーター、ホテルなど、生活のあらゆる場所に搭載されています。
筆者の場合、ドライヤーはかれこれ10年以上ナノイー搭載のナノケアシリーズを使っていますが、読者の皆さんの家庭にも一台はナノイー搭載製品があるのではないでしょうか。
こちらは9月1日に発売される、ヘアードライヤー ナノケア新ライン「nanocare ULTIMATE」です。ナノイーが髪に浸透し、うるおいをもたらしてくれます。
自動車ではこれまで、9社115種にナノイーが搭載されたそうです。中でも、トヨタとレクサスで計54車種にのぼります。彦根工場に展示されていたレクサスはエアコンに、シエンタはシーリングライトに搭載されていました。
鉄道会社では、JRや小田急電鉄など合計16社に採用されています。
そもそもナノイーとはなんなのか?
これだけ日常に浸透しているナノイーですが、そもそもどんな効果を持つものなのでしょうか?
簡単に言えば、「水に包まれたナノサイズの微粒子イオン」のことです。ナノイー発生装置に空気中の水分を集め、そこに高電圧を加えることで生成されます。菌や花粉といった有害な物質の働きを抑制する「OHラジカル」を大量に含んでいます。このOHラジカルをバリアのように水で包んでいるので、一般的な空気イオンの寿命より6倍長い、600秒もの間、効果が続きます。
パナソニックと、広島大学名誉教授の奥山喜久夫さんが共同開発しました。
焼肉の匂いも怖くない!ナノイーの消臭効果
ナノイーの仕組みがわかったところで、工場で見せてもらったその効果についてご紹介します!
ナノイーは「菌・ウイルス」「カビ」「花粉」「アレル物質」「ニオイ」「PM2.5」「美肌・美髪」に効果があるとされていますが、この中の「ニオイ」について体感してきました。
密室で焼肉を食べている2人。このとき着ていたTシャツをパネルに挟んだものが以下の写真ですが、右側の丸い部分はナノイー装置をあてていた部分です。匂いを嗅いでみると、無臭!焼肉の匂いは少しも残っていませんでした!ちなみに、ナノイーをあてていない左側の丸い部分には焼肉の匂いがしっかりと残っていました。
実はナノイー、タバコのヤニが10年分付着しても、正常に作動することが認められています。発火試験や防爆試験もクリアしているそうです。
1億台すべてがここから!彦根工場を見学
最後に、ナノイー装置をつくっている工場も見学させてもらいました!ナノイーをつくっているのは、ここ彦根工場だけ。つまり、これまで出荷された1億台すべてがここでつくられたのです。ナノイーは滋賀生まれなんですね!
製造工程はすべて自動化されています。
目指せ!出荷2億台
パナソニックは、6年後の2030年に2億台突破を目指しているそう!そのために日本国内では自動車や車両への搭載を増やしていき、同時に海外でのシェアも今以上に伸ばしていきたいとのことです。
一個人編集部でも、ナノイー搭載製品をどんどん使わせていただきます!