一個人:公式WEBサイト

新着記事

加藤ヒロユキさん「イスタンブールの風」が繋ぐ、日本とトルコの友情

撮影/増本雅人

 2021年にテノール歌手である加藤ヒロユキさんが吉田智佐子さんの原作となった原詩から作詞作曲し、自ら歌う「イスタンブールの風」。この曲が今、日本とトルコの心をつなぐ架け橋になっている。

 一般社団法人「日本トルコ民間友好協会」の理事長を務めている吉田智佐子さんの息子さんは難病との闘病の末に34歳の若さで亡くなられた。その息子さんにとって、生前仕事でつながりがあり、頻繁に訪れるほどに愛していたトルコ。智佐子さんにとっても息子さんと何度も行った思い出の国、トルコ。
 そして今、智佐子さんは亡き息子さんに対する深い愛情と哀悼の思いを詩に託し、加藤さんに加筆、作曲いただいた「イスタンブールの風」を通じて、トルコとの官民交流や、来日するトルコの若者支援など、友好協会の活動に奔走している。

 智佐子さんと交流の深かった加藤さんは、智佐子さんの息子さんへの追悼の意を込めて、トルコの情景や叙情を思い浮かべながら「イスタンブールの風」を制作した。日本で親しまれているだけでなく、トルコの首都アンカラの地下鉄で流されているなど、親日国であるトルコとの友好や親善を進める役割を果たしている。そして今、「イスタンブールの風」は2023年2月6日に発生したトルコシリア地震を経て、あらたな使命を帯びて歌われている。

 トルコの大地震が発生した際、そのニュースは智佐子さんと加藤さんの心に深い衝撃を与えた。関西を拠点に活動し、阪神淡路大震災での被災を経験した加藤さんにとって、地震の被害というものは他人事ではない。

智佐子さんにとっても我が身につまされる思いをこう述べた。
「『イスタンブールの風』は息子への鎮魂歌だったが、今回のトルコ大地震を受けて、多くの亡くなられた方への鎮魂歌になれば」と。

 加藤さんは、自分の歌が人々の心を癒し、犠牲者の鎮魂歌となり、復興支援へのチャリティーの輪が広がる力になることを願っている。「私の歌が少しでも被災者の方々の励みになり、また、親日国であるトルコと日本の間の絆を深めることができればと思っています」と加藤さんは語る。

 本年3月18日に神戸で行われたシンポジウム&ライブでは、チャリティで行われた加藤さんのライブとともに、多くの人々が一体となって地震の被災者の支援を表明。たくさんの復興寄付金が集まった。

 そして5月15日、加藤さんと智佐子さんは駐日トルコ大使館を訪れました。そこでお二人は集まった寄付金を駐日トルコ大使のコルクット・ギュンゲン閣下に直接渡した。

「僕は過去2回トルコに行き、トルコのファンに魅了されました。まだコロナの影響が大きく、どこの国に行くにもハードルがある中で、私の『イスタンブールの風』、日本の人にもっとトルコのことを知っていただきたいと思っています」と加藤さん。そして、大使の前で「イスタンブールの風」を披露した。

「イスタンブールの風 (永遠に)」
原詩:吉田智佐子
作詞・作曲: 加藤ヒロユキ

1

セルジュクの紺碧の空 つばさ拡げて

母のもとへ帰る コウノトリ

遠い異国のはるか昔の 幻のようなゆめ

※イスタンブールの風に乗って 幾万のカモメが舞う

その中で私を呼ぶ声が聞こえてくる あの日

2

ウスパルタの湖のほとり 霧の夜明けに

静かにつぼみ広げる ダマスクローズ

遠い異国のはるか昔の 幻のような ゆめ

※グランバザールの雑踏の中で 気が付けばあの人のこと

探している いつものようにほほ笑んで 突然目の前に

(間奏)

※イスタンブールの夕陽の空に浮かぶ モスクの赤い尖塔に祈りささげ

去って行ったあの人のこと いつまでも! エビディエン !

「イスタンブールの風」は一般社団法人日本トルコ民間友好協会【公式チャンネル】YouTubeにて公開中!

(左)トルコ大使 コルクット・ギュンゲン閣下、(右)吉田智佐子さん

 

 大使は「素晴らしいこの曲、本当に励ましになります。とても心に響きました。トルコの地震の深い傷跡はまだまだ癒やされておらず、これから長い道のりです。日本の皆さんがこうしてトルコによりそってくださっていることが実感できてとても頼もしく思います」と述べた。

 智佐子さんは「セルジュクのきれいな空、コウノトリ、特徴的なバラなどトルコの美しさが詰まったこの曲を通してよりトルコを知ってもらいたいと思っています。機会があれば是非大使館でも多くの人の聞いていただく催しができれば」と呼びかけ、大使も「是非に」と答えた。

 これからも加藤さんの「イスタンブールの風」がトルコと日本の友好的なつながりをより深め、そして明るく美しく導いてくれそうだ。

RANKING

DAILY
WEEKLY
MONTHLY
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  1. 1
  2. 2
  3. 3

RECOMMEND

関連記事