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意外と知らないフィギュアスケートのルール|衣装の飾りを落とすと減点?衣装にも細かい規定が

知っているようで知らないフィギュアスケートの世界

衣装にも規定がある

 いよいよ北京で始まった冬季オリンピック。花形種目のフィギュアスケートは団体戦が始まっており、8日の男子ショートプログラムでは、羽生結弦、宇野昌磨、鍵山優真の日本代表3選手に注目が集まる。

 ところで、「氷上の華」と称されるほど華麗な滑りを見せる選手に魅了されるわけだが、スポーツというよりもショー感覚で観戦する人が多いのではないだろうか。そのため、競技のルールや採点の方法など、細かい決まりごとはイマイチわからない…という声も聞かれる。

 採点はトータル・エレメンツ・スコア(TSE)という技術点と、プログラム・コンポーネンツ・スコア(PCS)という演技構成点(芸術点といわれることも)の合計で決まる。難易度の高い技ほど基礎点が高いので、どの要素を組み込むかも勝敗を分けるカギとなる。

 これだけでなく、さらにグレード・オブ・エクスキューション(GOE)が加算され、ジャンプなら高さや着氷姿勢が加点要素となる。しかし、回転不足や転倒によってマイナスされてしまうこともあり、難易度が高い技にはリスクが伴う。

 男子では、もはや跳べなければ上位へ進めないともいえる「4回転ジャンプ」は、基礎点が10点以上と高い。しかし、失敗すれば最大4点も失う可能性があるのだ。

 PCSには、技術だけでなく技のつながりや演技力、振り付け、音楽の解釈が含まれる。たとえ難易度の高いジャンプを跳べても、美しくなければ加点されない。また、曲に合わない振り付けも評価が低くなる。

 シングルの場合は、ショートプログラム(SP)とフリースケーティング(FS)の合計点で競われる。SPの演技時間は2分40秒±10秒で、男子ならアクセルジャンプとジャンプ・コンビネーション、スピンやステップなど、7つの要素でプログラムを構成しなくてはならない。

 FSは4分30秒±10秒となる。「フリー」といえどジャンプは最大8回、スピンは最大3回など、細かいルールが設けられている。スピンの回転数もコンビネーションなら最小10回転と決められているので、完全な自由演技というわけにはいかない。

 こうした技に関するルールはファンにもおなじみかもしれない。しかし、衣装の規定については意外と見落としがちである。

 女子選手はセクシーな衣装を身にまとっているが、過度の露出や裸体を思わせるものはNGだ。派手すぎても減点対象となる可能性がある。

 生足も禁止されているので、タイツの着用はマスト。衣装の一部が演技中に落下しても減点されてしまい、装飾にも気を配らなくてはならない。元オリンピック選手の高橋大輔さんも、現役時代に飾りが落下したことで減点されたことがある。

 バックフリップ(後方宙返り)や小道具の使用などもNGだが、エキシビションではこうした禁止事項も許されることが多い。重圧から解放されて、のびのびと滑る選手の姿は、真剣勝負とは違った魅力にあふれている。

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