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ゲーム・飲酒・買い物,etc…ルールのない「ストレス発散」はむしろ逆効果|ストレスフリーで生きる知恵

コミュニケーションは下手な方が普通

 現代人のほとんどが、人との付き合いでストレスを感じて生きている。

「アンケートをとると、80〜90%の人がコミュニケーションが苦手でストレスを感じると答えます。得意だという人も、『昔は人前で話すのが苦手だったけれど、仕事柄、努力して克服した』というケースが多いですね。人間はコミュニケーション能力ゼロで生まれてくるわけですから、苦手でも仕方がない。努力し、練習したりして、学んでいく生き物なんです」

 だから、コミュニケーションが下手でも悲観する必要はないと樺沢さんは言う。たとえば在宅勤務が増えたなら、仕事中は家庭でもメールで要件を伝えるというルールを作るなど、学習していけばいい。

「誰でも苦手なこともあれば、得意なこともあります。自分の短所も、人に聞いてみると、『そんなに気にすることじゃないよ』と言われることも多いはず。また、自分の長所を他人に聞いてみると、意外な面を掘り起こすことができます。他者評価は大事。欠点ばかり見てストレスを溜めるのではなく、長所を見て、自己肯定感を持って生きていくことが大切です」

 また、同じ仕事をしていても、ストレスを感じる人と、ストレスを感じない人がいる。「仕事を楽しめているかどうか」この違いで、両者に差が生まれるのだ。

「〝やらされ感〞があると、ストレスが溜まるので、嫌な仕事は楽しくやる工夫、つまりガス抜きが必要です。睡眠不足や運動不足でイライラしていて怒りっぽい人も、ガス抜きができていない人。こういう人が飲酒をはけ口にすると、さらにストレスを溜め込むことになります。祝杯など楽しく飲むお酒はいいのですが、惰性での飲酒はアルコール依存症の始まり。要注意です」

【依存性の高い「ストレス発散」は逆効果!】
やればやるほどハマってしまうゲームやギャンブル、止まらない飲酒、ショッピングなど、やり続けなければ満足できなくなってしまうものは、ストレス発散になるどころか、逆効果。好きでもないものを惰性でやり続けるようになったら、依存症と心得ておこう。

依存症につながる惰性の習慣には「ルール」を

 アルコール依存症とうつ病は表裏一体。飲酒量が増えてきたら、缶ビールなら2缶まで、寝る2時間前までに飲み終わるなど、量か時間で制限をつけることが必要だと樺沢さんは注意を促す。惰性で夜中にゲームやスマホ、テレビやアニメを見続けるのも、依存症の始まり。興奮して、眠れなくなるだけなので、本当に好きなゲームやアニメを選んで、時間を決めて楽しむようにしたい。

「うつ予備軍のうちなら、節酒、禁煙をして2週間の休養で治ります。しかし、うつ病をはじめとするメンタル疾患にかかってしまった場合は、遺伝子レベルから治さなければいけませんから、最低3カ月はかかります」

 そうなれば、家族など周囲の人にも大きなストレスがかかる。そうならないためにも、日頃の心がけが重要だ。

「ストレスとは単なる風のようなもの。どんなに強いストレスも、やって来たら、暖簾のようにふわりと受け流せばいいのです。認知症予防に効果があるのも、睡眠と運動。ストレスフリーで生きるための『睡眠、運動、朝散歩』を実践し、認知症も予防できれば一挙両得です」

【「SNS疲れ」への対処法】
■使うSNSは2つ以下に絞る
■見る時間を決める
■アウトプットツールとして使う
SNSの情報はいくら読んでも記憶に残らない。それでも夜中にスマホを出して読んでしまうのは、ブルーライトが脳を興奮させているからだ。使うSNSを2つ程度に絞る、時間を決める、友人との連絡や情報発信だけに使うなど、使い方を制限することで、依存を回避しよう。

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かばさわ・しおん 精神科医・作家 1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年よりイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。YouTube「樺沢紫苑の樺チャンネル」で人気を博すほか、『学びを結果に変えるアウトプット大全』(サンクチュアリ出版)シリーズは70万部の大ベストセラーに。

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