雄大な自然の中で育った牛の良質な肉の旨味、言わずもがな身の締まった刺身、そして自然に囲まれた情緒あふれる環境で入る良質な温泉。日本人でよかった。そう思える極上の癒やしが全て揃った東北を旅する。
取材・文／宇於崎凌
【秋田湯瀬】
「近くにこんないい温泉があったら他に行かないよ」私が亀の井ホテル秋田湯瀬で居合わせた、秋田市から来たというお父さんはそう言った。それも納得だ。なにせ、〝すべて〟が揃っている。ぷりっぷりの海鮮、米どころならではの日本酒。素材だけでなく、料理長の腕も良いのだろう、ふと口休めに飲んだつもりだった味噌汁の出汁の旨味を感じた瞬間に、多幸感に包まれた。膨（ふく）れた腹のまま温泉へ入ると、身体に芯からじんわりと響く。大自然の青々とした香りとともに流れてくる風がもたらす外気浴。まさに、身体を日々の疲れやストレスから開放する“すべて”がここにあった。
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「湯瀬渓谷（新秋田三十景）」
湯瀬温泉から八幡平小豆沢まで続く全長4.6kmの絶景散策路。1年を通して気持ちのいい散策路だが、特に10月下旬から11月上旬は圧巻の紅葉を楽しむことができる。
亀の井ホテル 秋田湯瀬 住所：秋田県鹿角市八幡平湯瀬40-1 電話番号：0186-33-2011 ＜泉質＞ アルカリ性単純泉 ＜泉温＞ 60．4℃ https://kamenoi-hotels.com/akitayuze/
【田沢湖】
亀の井ホテル 田沢湖の温泉はまた違った魅力をもつ。大浴場の湯船には温泉成分が固まり、触って、見る事ができる“湯の花”として漂っている。循環させず、新鮮な天然温泉を贅沢にかけ流しにしているから、成分が生きたまま流れているからこそ体感できる貴重なものだ。さらに、ここの露天風呂は大浴場とは異なる場所の小さな小屋にある。自然が広がり、カエルなどの様々な石像の並ぶ独特の雰囲気は、さながら秘湯を思わせる。
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秋田駒ヶ岳（ムーミン谷）
その景色の美しさから日本のムーミン谷とも呼ばれる秋田の駒ヶ岳。緑豊かな季節の青々した姿ももちろん、秋の紅葉に彩られた景色はまるで絵画の世界のようだ。
亀の井ホテル 田沢湖 住所：秋田県仙北市田沢湖生保内字駒ケ岳2-32 電話番号：0187-46-2131 ＜泉質＞ 硫酸塩泉 ＜泉温＞ 50.2℃ https://kamenoi-hotels.com/tazawako/
【馬門（まかど）】
独特の雰囲気と言えば、県の木である青森ヒバがふんだんに使われた大浴場の亀の井ホテル 青森まかども面白い。針葉樹の香りが、温泉と一緒にさらに高次の癒しを与えてくれる。青森といえば、もちろん陸奥湾から水揚げされたホタテも見逃せない。新鮮肉厚なホタテと日本酒は相性抜群。大自然の恵みを存分に、全身で味わえる東北の旅。五感すべてが満たされる至高の、そして滋味深いオトナの旅だ。
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仏ヶ浦（陸奥湾）
火山灰が押し固められてできた凝灰岩が立ち並ぶ仏ヶ浦は圧巻。約2kmに渡って白緑色の岸壁が立ち並ぶ様に、雄々しい自然の強大さ、畏怖の念すら感じることだろう。
亀の井ホテル 青森まかど 住所：青森県上北郡野辺地町湯沢9 電話番号：0175-64-3131 ＜泉質＞ 硫酸塩泉 ＜泉温＞ 38.4℃ https://kamenoi-hotels.com/aomorimakado/
