開運を願うなら、初詣は欠かせない。お正月に訪ねたい、全国10カ所の御神徳のある神社・仏閣をご紹介します!
2022年の招福祈願と日々の安寧を願って訪れたい
(1) 護王神社 ごおうじんじゃ
【京都府京都市上京区烏丸通下長者町下ル桜鶴円町385】
御利益:開運
京都御所の西に鎮座する足腰の守護神
奈良時代末期、偽りの御神託で皇位に就こうとした弓削道鏡(ゆげのどうきょう)の企みを阻止し、一時流刑になるが、復権して平安遷都に尽力した和気清麻呂(わけのきよまろ)公を祀る護王神社。
道鏡事件の際に足の腱を斬られた清麻呂公が流刑地に向かう途中、300頭の猪が行列を護り、後に脚も回復した故事から霊猪像が建立されている。厄災除け、足腰の守護神として崇められ、特に亥年の御利益があるとされる。洛西の高雄山神護寺境内に祀られていた霊社を、明治19年(1886)に現在の地に遷座した。
(2) 猿田彦神社 さるたひこじんじゃ
【三重県伊勢市宇治浦田2-1-10】
御利益:開運
「みちひらきの神」に祈りたい、開運と幸福の道案内
天孫降臨(てんそんこうりん)の際、 瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)を高千穂へ先導した神、猿田彦大神を祀る神社。
猿田彦大神はのちに伊勢の狭長田五十鈴川(さながたいすずがわ)の川上を中心に、全国を開拓したという神話が残っている。垂仁天皇(すいにんてんのう)の第四皇女、倭姫命(やまとひめのみこと)が祖先の神を祀る場所を求め巡幸された際、猿田彦大神の子孫にあたる大田命(おおたのみこと)が、祖先の開拓した五十鈴川の川上にある宇遅(うじ、宇治)を勧め、そこに皇大神宮(伊勢神宮内宮)が創建された。
瓊瓊杵尊を案内した神話から「みちひらきの神」として知られ、道を切り開く、開運の神としても有名である。代々、猿田彦大神直系の子孫である宇治土公(うじとこ)家が宮司を務める神社。
(3) 豊川稲荷東京別院 とよかわいなりとうきょうべついん
【東京都港区元赤坂1-4-7】
御利益:金運
大岡越前が分霊した愛知県豊川稲荷直轄の別院
豊川稲荷の正式名称は豐川閣妙嚴寺(とよかわかくみょうごんじ)、曹洞宗の寺院である。
寺院なのになぜ稲荷と呼ばれるかといえば、祀られている天部の仏様「豊川吒枳尼眞天(とよかわだきにしんてん)」が稲穂を担ぎ、白狐にまたがっていることから豊川稲荷という通称が広まったためという。
東京別院は愛知県の豊川稲荷を信仰していた大岡越前守忠相(おおおかえちぜんのかみただすけ)公が分霊を受け、お祀りしたのが始まりで、明治20年(1887)に赤坂一ツ木の大岡邸より現在の場所に遷座した。稲荷繋がりから金運・商売繁昌のご利益を求めて多くの参拝客で賑わう。
(4) 玉前神社 たまさきじんじゃ
【千葉県長生郡一宮町一宮3048】
御利益:縁結び
女性の心身を守護する女神を祀る上総國一之宮の古社
房総半島九十九里浜の最南端に鎮座する玉前神社。
その歴史は古く、その名は平安中期にまとめられた『延喜式神名帳』では名神大社として列せられている。上総國一之宮として厚く信仰され、一宮町の由来となっている。
ご祭神は玉依姫命という、月の働きを司るともいわれる神様である。神秘的な女性の心身のバランスを守護するともされている。また、縁結び・子授け・安産・育児にもご利益がある。
境内には「はだしの道」「子授かりイチョウ」などのパワースポットや、自由に採ることができるご神水もあるのでぜひ立ち寄りたい。
(5) 安井金比羅宮 やすいこんぴらぐう
【京都府京都市東山区下弁天町70】
御利益:縁結び
「縁切り縁結び碑」が有名。断ち物に御利益のある古社
悪縁切り・良縁結びの御利益で知られる安井金比羅宮。天智天皇の時代、藤原鎌足が一堂を創建し、藤を植え、家門の隆昌と子孫の長久を祈ったことが始まりとされる。
のちにこの藤を好んだ崇徳天皇を祀り、讃岐の金刀比羅宮(ことひらぐう)より勧請した大物主神と源頼政を祀る鎮守社となったことから、「安井の金比羅さん」と呼ばれるようになった。
主祭神の崇徳天皇が讃岐の金刀比羅宮で一切の欲を断ち切り参籠(さんろう)されたことから、古来より断ち物の祈願所として信仰されている。
(6) 居木神社 いるぎじんじゃ
【東京都品川区大崎3-8-20】
御利益:開運
日本武尊をはじめ多くの神を祀る神社
日本武尊(やまとたけるのみこと)を主祭神として、多くの神々を配祀、合祀している。創建年代は不明だが、鎮座の地は、武蔵国荏原郡居木橋村で雉子の宮と称していたという記録がある。
江戸時代初期、目黒川氾濫の難を避けるため、現在の場所に遷座した際、村内に鎮座されていた四社を合わせてお祀りし、「五社明神」と改称。さらに明治5年(1872)に現在の名称に改めた。
境内にある質の高い彫刻が多用された厳島神社は、品川区指定有形文化財で、正面鳥居前の富士塚は、しながわ百景に選定されている。
(7) 東郷神社 とうごうじんじゃ
【東京都渋谷区神宮前1-5-3】
御利益:縁結び
バルチック艦隊を破った「勝利の神様」を祀る神社
御祭神は、日露戦争の連合艦隊司令官として日本を勝利に導いた東郷平八郎。昭和9年(1934)の死去と同時に、「至誠(まごころ)は神に通じる」との徳を長く後世に伝えるため、お祀りしてほしいという要望が高まり、昭和15年(1940)に原宿に創建された。
日露戦争での勝利から「勝利の神様」として知られ、東郷の真筆からとった「勝」の字を、勝利の御守『勝札』として授与している。学問、スポーツ、恋愛など様々な分野での勝利を祈願する多くの参拝客で賑わう。
(8) 五徳山水澤観世音 ごとくざんみずさわかんぜおん
【群馬県渋川市伊香保町水沢214】
御利益:開運
秘仏十一面千手観音が本尊の坂東三十三観音霊場
推古天皇、持統天皇の勅願をうけ、高麗(こうらい)の僧、 惠灌(えかん)僧正が開基した天台宗の寺院。正式名称を五徳山水澤寺という。
この名称は推古天皇の御宸筆(ごしんぴつ)の額名によるものだ。観音寺を巡ると願いが叶うといわれる坂東三十三観音霊場の十六番札所でもある。
本尊は秘仏の十一面千手観世音菩薩。高光中将の妻、伊香保姫の御持仏だったもので、伊香保姫が観音像に命を救われたという逸話が残る。七つの大難は消滅し七つの福が生まれる、「七難即滅七福即生」のご利益をもつという。
(9) 五千頭の龍が昇る聖天宮 ごせんとうのりゅうがのぼるせいてんきゅう
【埼玉県坂戸市塚越51-1】
御利益:開運
本場さながらの雰囲気で本格的台湾式参拝ができる
日本国内の“道教のお宮”として最大級の規模を誇る。本場台湾の豪華絢爛なお宮の佇まい。建立の由縁は台湾の個人が大病祈願成就の感謝とし建てられた。
もともと台湾で建てる予定であったところ、ご本尊の導きにより坂戸市に建立された。台湾から宮大工を呼び寄せ15年の歳月を経て竣工。石彫、木彫、壁画には多くの縁起のよい瑞獣(ずいじゅう)である龍、鳳凰、麒麟が装飾され、特に龍だけで五千頭以上いる。
また、台湾式参拝は常駐の説明員が案内してくれる。どなたでも本格的な台湾参拝ができる。
(10) 總宮神社 そうみやじんじゃ
【山形県長井市横町14-24】
御利益:開運
山形県長井郷の総鎮守。直江兼続手植えの杉が立つ
延暦2年(802)に征夷大将軍、坂上田村麻呂が蝦夷征伐の際にこの地を訪れ、日本武尊のご神徳を偲び、郷土の平和を祈願するために尊の御霊の象徴である白鳥を祀る赤崩白鳥大明神を創建したのが始まりと伝えられている。
その後、文録2年(1593)に米沢領主の蒲生郷安が長井郷44カ村の神社を合祀した総鎮守として本殿を新設し、總宮と改称。米沢上杉藩下長井の総氏神として勅撰を賜わった、山形県内屈指の大社として広く信仰を集める。境内には直江兼続が手植えしたとされる9本の大杉と、奉納した刀剣が今も残っている。