【JR紀勢本線】紀伊半島沿岸をぐるり
独特の景観が続く車窓 熊野古道散策も楽しめる
紀伊半島の海岸線沿いを走る紀勢本線。そのうち和歌山〜新宮駅までの54駅、総延長200.7㎞の路線は「きのくに線」の愛称で親しまれ、海岸線や梅やミカンの花など、四季折々の美景が広がる。特に「南紀熊野ジオパーク」県南部エリアは、車窓からも奇岩や独特の地形のジオサイトを眺められる場所があり、ここにしかない景色を楽しめる。
この路線の名物列車といえば、特急くろしおのラッピング車両「パンダくろしお」。現在は3編成で運行する、老若男女に支持される人気列車だ。2017年、アドベンチャーワールド開園40周年とJR西日本発足30周年を記念し、「旅に『ときめき』を」をコンセプトに車両をラッピングした「パンダくろしお『Smileアドベンチャートレイン』」が運行をスタート。車両先頭部にはインパクトのあるパンダフェイス、車体側面はパークで躍動するパンダやホッキョクグマなどの動物たちがデザインされ、内装のパンダ柄ヘッドカバーも可愛らしい。
列車に揺られて南紀白浜へ向かい、本物のパンダたちに会いに行ってみよう。白浜駅近くのアドベンチャーワールドでは現在7頭のパンダが暮らしており、2020年に生まれたパンダ「楓浜」もすくすく成長中。屋外運動場などで遊ぶ姿は見ているだけで癒やされる。
また、117系電車を改造して誕生した観光特急列車「WEST EXPRESS 銀河」も、昨夏から秋にかけて紀南を駆け抜けた。その際は、途中下車してご当地グルメ・和歌山ラーメンを食べたり、橋杭岩に立ち寄ってジオガイドの解説付きで鑑賞したりと沿線地域の魅力を体感できる趣向が盛り込まれた。引き続き、今年10月から来年3月までの運行が決定したので、乗りそびれた方もご安心を。より景色が楽しめるよう窓側の席数を増やすなど設備はパワーアップ。さらに、新宮発昼行列車の京都着時刻が早められ、首都圏方面へのアクセスがもっと便利になる予定だ。