春の訪れを告げる「鶯」の姓は全国に数軒
3月になり、鶯が鳴き始めた。「ホーホケキョ」と鳴く鶯の声に癒やされるとともに、春の訪れを感じる。日本には様々な野鳥が住んでいるが、それらの名前が名字にもなっている。
「鶯(うぐいす)」という名字は数軒ではあるが、鹿児島県や徳島県に存在している。春から初夏にかけては、雲雀や燕なども季節を感じる鳥であるが、雲雀や燕も名字として存在している。「雲雀(ひばり)」という名字は、秋田県などを中心に全国に約50軒ある。「燕(つばめ)」という名字は、新潟県や北海道を中心に約50軒存在している。
これらの名字の由来は、必ずしも鳥に関係して付けられたものばかりではない。「燕」という名字は、新潟県燕市にある燕(つばめ)という地名が由来である。新潟県で生まれた「燕」という名字が北海道にも広がった。兵庫県に住む「雲雀」さんの名字の由来は、先祖が戦場に食料(米)を運ぶ仕事をしていたが、ある時空に雲雀が飛んでいる姿を見た殿様が、お礼に名付けてくれたと伝えられている。
群馬県には全国1軒だけの「善知鳥(うとう)」という難読な名字がある。善知鳥は、ウミスズメ科の体長30センチくらいの海鳥であるが、あまり存在は知られていない。名字の由来は、秋田県秋田市雄和平尾鳥善知鳥(うとう)や仙北郡美郷町千屋字善知鳥(うとう)、長野県塩尻市の善知鳥峠(うとうとうげ)などの地名が考えられる。また、青森市には善知鳥神社(うとうじんじゃ)があり、この神社に関係した人が名乗ったことも考えられる。