原因を知り、正しく整えればカラダの不調は改善する
人のカラダは年を重ねると、程度の差こそあれ何らかの不調に見舞われる。そんな時、人は医療の力を借りることになる。もちろん、それは正しい。しかし、その不調の原因を知らない限り、いつかまた同じ症状に陥る可能性は高い。
「つまり、不調の原因を正しく知り、アプローチすれば、症状の改善および予防は可能です。そのソリューションを提供するのが私たちの役割なのです」
そう語るのは、「東京オリンピック・パラリンピック」も含め、数多くのアスリートたちをサポートしてきた世界的なトレーナーであり、株式会社R-Body projectの代表を務める鈴木氏だ。
私たちのカラダは取り替ることができない。だからこそ、自身のカラダを正しく機能的に使えるようにメンテナンスし、生涯使えるように整えることが重要となる。それが「コンディショニング」である。そして、それらの知見を一般の方にも届けようと、鈴木氏は株式会社R-Body projectを立ち上げた。
「私たちはフィットネスジムではありません。ここは『カラダだけではなくアタマも鍛える』というコンセプトのもと、みなさんに正しい動作を学んでいただく場所なのです」(鈴木さん ※以下同じ)
例えばバンザイをする時、人は肩の動きの悪さが原因で、無意識に腰を後ろに反って、腰に負担のかかるバンザイ風の動作になりがちだ。こういった負担が積み重なって、やがて腰痛が起きる。このように、痛む場所と原因が異なる部位であることを、どれだけの人が知っているだろうか。
「カラダの状態やクセは千差万別です。そして、私たちがアスリートも含めたみなさんに行っている『動作評価』の結果、正しく自身のカラダを使えている人はほとんどいないのです」
アスリートからおじさんまで…万人に効果的なコンディショニング
慢性的な腰痛や肩こりなどを「歳だから、仕方ない…」と諦めてしまう人は多いと思うが、コンディショニングによって、様々なカラダの問題を改善できると鈴木氏は話す。
「『コンディショニング』はアスリートやスポーツを目的とした方に限らず、万人に必要なものです。そして、誰にでもできます。腰や膝の悩みを改善された80代の女性会員もいらっしゃいます」
事実、その効果には目を見張るものがある。姿勢やパフォーマンスなど、課題と感じていた主訴の改善率は77%、その中でも痛みが改善されたのは92%というデータ結果が出ているのである。そして、重要なポイントとしては、トレーナーは痛みのある部位には一切触れず、痛みのない部位を動かすことでこの結果を出していることだ。
こうした効果が理解されるにつれ、コンディショニングは着実に浸透しつつある。アスリートのトレーニングはもとより、聖路加国際病院付属クリニック聖路加メディローカスの人間ドックには「身体機能評価」をベースとしたプログラムが盛り込まれている。
正しい動作を覚えて、日常生活のレベルを上げる
繰り返しとなるが、コンディショニングとはカラダを「鍛える」ことだけではない。また、不調や痛みへの対症療法でもない。「不調にならない・痛くならないカラダづくり」を目指し、それを正しく理解することである。そして、それをサポートしてくれるのがR-Bodyなのだ。
「コンディショニングを通して、予防や再発防止のために訪れる中高年層、症状改善のために学ぶシニア層、すべての方のライフパフォーマンス(日常生活の質)の向上にも寄与します」
コンディショニングによって、できなかったことや諦めていたことができるようになる…。私たちの体は、間違ったクセを修正し、正しいトレーニングを行うことで、まだまだ使える。まずは「マイナスをゼロ」にし、そこからできることを増やしていくのが良さそうだ。