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「まだ平気」な今、知っておきたい『ED』を引き起こす多様な原因|ノートPCや自転車もアソコに良くない?

EDの2大要因は生活習慣とメンタル

「男性機能の低下、いわゆるEDは加齢とともに進行するといわれていますね。確かにその通りですが、では年齢を重ねると男性機能にどういう不具合が生じるのか、また不具合の原因は何か、詳しく知っている方はそう多くないのではないでしょうか。しかし逆にいえば、原因を突きとめれば解決策の糸口も見えてきます。何事もまずは原因をしっかり把握すること、これが大切なのです」

 こう語るのは、ED治療の専門医である東京・弘邦医院の林雅之院長だ。
 ペニスには海綿体があり、これが性的な刺激を受けると海綿体に血液が流れ込み、ペニスが膨張する。これが勃起である。EDとは簡単にいえば、その海綿体に血液が流入しづらくなる状態にあることを指す。加齢によって血管が萎縮してしまうことで血液の循環が悪くなり、勃起に支障をきたすわけである。

 これは加齢による老化現象であるため、男性なら誰にでも起こり得ることだ。だが問題は、老化の進行具合は人によって様々で、40代から始まった症状が止まることを知らずに進行してしまう男性もいれば、老化のスピードを遅らせることができる男性もいるのである。
 その差はいったい何なのか。またその原因は? EDは糖尿病などの生活習慣病が原因のケースと、心因性ストレスなどのメンタル面が原因のケースのふたつに分けられる。

「糖尿病を患うと動脈硬化が起き、血液の循環が著しく低下します。また神経にも障害が生じ、脳が快感を感じてもペニスに伝達されないのです。その結果、勃起しなくなります。厚生労働省が発表した2015年の調査によると、日本人男性の糖尿病患者数は176万8000人だそうです。この人数がイコールEDとは断言できませんが、潜在的な患者はかなりの数にのぼるとみていいでしょう」

 一方の心因性EDは、ストレス、不安、うつ病などから起きる。なんとなく身体が重い、ダルい時に勃起しないというケースは心因性の場合が多く、例えば残業続きで心労が重なった日、売り上げノルマに不安を抱えている夜などに症状が出やすい。また、SEXしようとしたのに勃起しなかった、または完遂できなかった経験が一度でもあると、それがトラウマとなり勃たなくなってしまう。こうした症状も、いわば不安が原因だ。

複雑な男心と、勃起不全を起こす意外な可能性

「心因性でさらに厄介なのは、相手をする女性によっては勃起することもあり得る点です。例えば『妻だけED』という症状があります。これは奥さんを前にすると萎えてしまうケースです。不謹慎な話ですが、奥さん以外ではみるみる元気になることもあるんですね。男性のメンタルの複雑さが見て取れます」

 また、最近では若い頃にEDを患い、そのまま熟年の年齢に達してしまった男性も少なくないらしい。こうした人は誤った、または過度な自慰行為が原因と考えられている。

「男性の手による自慰は、女性の膣内と比べて圧力が極めて強く、快感も高いのです。そうした感覚に慣れてしまうと、女性器に挿入しても物足りず萎えてしまいます。特にAVの刺激的な映像を鑑賞しつつ自慰をしていた世代には、こうした『マスターベーションED』の傾向がみられます」

 その他にも、健康に良いからとスポーツタイプの自転車に乗りすぎて股間を圧迫し血流が悪くなる、通勤時にノートタイプのパソコンを膝の上に置いて下半身を温めすぎてしまった結果、勃起に支障が出るなど、EDの原因は日常に山ほどある。
 まさに現代の男性はEDと隣り合わせに暮らしているのだ。自分は大丈夫と過信することなく、正しい知識でEDに備えてほしい。

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林 雅之

はやし・まさゆき 医学博士(弘邦医院院長) 1949年、千葉県出身。秋田大学医学部卒業後、中央鉄道病院内科(現JR東京総合病院)、同愛記念病院内科勤務を経て、1984年東京・江戸川区に弘邦医院を開業。著書は『お医者さまが教える脳で感じるセックス入門』(扶桑社)『男をあきらめるな―ED患者1000万人時代を救う』(ルネッサンス・アイ)など多数。

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