奥宮。そこは「はじまりの場所」であり、魂の根源である。
本社より奥に位置する神様がおわす領域。
原点回帰と再生のための神社参詣に出かけてみよう。
富士山の神を最初に祀った場所で神縁を結ぶ
富士山麓にはいくつも浅間神社が鎮座しているが、あえてひとつを挙げれば、静岡・富士宮市の浅間大社だろう。
富士山の写しといわれる美しい高層のお社で参拝をすませたら、社殿の脇に進み、境内の水屋神社へ。ここで神社裏から湧き出るご神水をいただき、旧年の憂さやケガレを祓い流したら、もうひとつのお宮へ向かおう。
浅間大社の奥宮は富士山頂に鎮座しているが、この季節の参詣は特に難しい。そこでお勧めしたいのが山宮浅間神社である。大社から富士山方向にクルマで20分少々。県道180号の脇にその看板が見えてくる。
参道の奥につづく石段を登りつめると、なんとそこにはお宮らしい建物はなかった。あるのは注連縄が張られたサカキの御神木と、神祀りに用いられたであろう石(磐座、いわくら)のみ。そして、眼前に富士山がどんとあらわれる。
実はこの場所は、富士山の爆発で生じた最終期の溶岩流が滞留し、丘状になったポイントで、富士山の神を最初に祀った場であった。いわば畏怖すべき山の神と里人との接点であり、富士山麓最高のパワースポットなのだ。
だからこそ、余計なものは不要。原始の記憶をとどめたこの場で、ぜひ直接富士山を拝し、ご神縁を結びたい。