嬉野産大豆にこだわった絶品湯どうふ
嬉野の絶品グルメとして私が激推ししたいのが「嬉野温泉湯どうふ」だ。嬉野産大豆のふくゆたか、嬉野温泉の湯を原材料として生産されたものだけがその名を冠することを許されている。九州で主に生産される大豆のふくゆたかは高タンパクで豆腐の製産に向いている。また、嬉野温泉が美肌の湯と呼ばれてきたのは前述の通りだが、古来より胃腸にも良いとされてきた。ふさわしい食材が揃ったこの地で温泉湯どうふがつくられるのは必然であったのだろう。現在5つの生産者たちがそれぞれの個性が光る嬉野温泉湯どうふを作っているのも面白い。
せっかくなので本記事ではその5つについてご紹介しよう。
椎葉山荘など、嬉野で3つの宿泊施設を運営する大正屋グループでは自社製の嬉野温泉湯どうふを販売。各宿泊施設でも朝食などで楽しむことができる。こちらの特徴はなんといってもとろとろ感と濃厚さ。口に入れた瞬間になめらかな感触と濃厚な大豆の味と香りが広がる。それゆえネギとの相性は抜群。朝食バイキングでは薬味が好きな量載せられるので好みのカスタイマイズで食べられるのも嬉しいポイントだ。
嬉野温泉街の中心部に店を構える宗庵よこ長は「嬉野温泉湯どうふ発祥の店」とも。初代店主の勝雄さんが豆腐を温泉の湯で炊くとやわらかくとろとろになることに着目し、料理に取り入れたことがはじまりだそうだ。こちらの嬉野温泉湯どうふは流石元祖と言うべきかバランス型な印象。スープから豆の味がしっかりとしつつも、どろどろになって豆腐と汁が一体化してしまうようなことはない。豆腐の風味も、とろみの強い湯どうふの強みも、どちらものいいとこどりに成功している。
宗庵よこ長
〒843-0301
佐賀県嬉野市嬉野町大字下宿乙2190
☎0954-42-0563
営業時間:10:30-21:00
定休日:水曜
https://yococho.com/
障害がい者継続就労支援施設の就労支援の中で作られているという少し変わった生産元のこのめの里。私は東京に戻ってからオンラインで注文した。こちらの嬉野湯どうふの特徴はなんといってもとにかく豆腐が溶けていくこと。湯どうふとして食べている間にも豆腐がみるみる湯に溶け出し、渾然一体となっていく。気づけば湯どうふは豆乳鍋になり、一緒に入れた具材をまろやかな味が包み込む。豆腐の食感はとろとろというよりかはほろほろ。付属のゴマダレがコク甘で、これがまたうまい。いっそジャンキーとすら形容したくなる。食べた後、大切な人に送りたくなった。
このめの里の嬉野温泉湯どうふオンライン販売
https://www.wagamachi-tokusan.jp/product/3083.html
福田とうふ店の特徴はとにかくとろとろであること。湯に大豆の味と風味が溶けに溶け、スープとして楽しむことができる。大豆の味をしっかりと味わうことが好きな人におすすめしたい。
藤川豆富店は一番豆腐が豆腐然としている。それでいて豆腐から角が撮れたようにつるっと口の中に入り、食感を楽しみながら口に広がる風味を堪能できる。豆腐好きの方におすすめしたい。
それぞれの豆腐屋さんは通販を行っている場合もあるので利用してみるのもよいだろう。とはいえ、現地でできたてを味わうに越したことはない。気になるお店にはぜひ実際に行ってみてはどうだろうか。