秋に出まわる新米の魅力はなんと言っても、その時期にしか味わえない格別の風味や食感である。とくに昨今は各地で多くのブランド米が誕生し、選ぶ楽しみも広がっている。
個性豊かなブランド米が続々デビュー!
毎年、夏以降になると各地で収穫されたばかりの「新米」が出まわり、多くの家庭の食卓に上る。 新米は“味覚の秋”の立役者として重宝され、日本の食文化を象徴する風物詩のひとつだ。五ツ星お米マイスターのスズノブ代表取締役・西島豊造さんによれば、近年は米の種類が俄然(がぜん)豊富となり、新米の人気にも拍車がかかっているという。
「日本の米は今、新時代を迎えています。各地で新たなブランド米が多数誕生し、特長も細分化。古くから王者として君臨するコシヒカリとは異なる指向のものも増え、まさに個性の時代です。米は、たんなる主食というより、奥深い魅力に富んだ嗜好品として認知されつつあります」
目下、新米の味覚を堪能する秘訣は優秀かつ、より好みにあった品種を見極めることだといえよう。その手がかりとなるのが、日本穀物検定協会が毎年行う食味ランキングだ。
新米選びは最高位の『特A』評価に注目
「直近で特A評価を獲得したものは実力があるといえます。この評価は、提出された米のみに関するもので品種全体を評価するものではありませんが、2000年以降に誕生した新品種は栽培地などによるばらつきが少なく、信頼性が高いと思います」と西島さんはその重要性を説く。下記に、最新の特A評価を受けたブランド米を明記したので、今後のお米購入の参考にしていただきたい。
日本穀物検定協会の特A評価表(令和2年産)
*品種名のあとのカッコ内は地区名○北海道 ななつぼし、ゆめぴりか、
ふっくりんこ
○青森 青天の霹靂(津軽)
○岩手 銀河のしずく(県中)
○宮城 つや姫
○秋田 ひとめぼれ(中央)
○山形 はえぬき(最上)、
つや姫(村上、庄内)、
雪若丸(庄内)
○福島 コシヒカリ(会津、中通、浜通)、
ひとめぼれ(会津、中通)
○茨城 コシヒカリ(県央、県南)
○群馬 コシヒカリ(北毛)
○埼玉 彩のきずな(県西、県北)
○千葉 コシヒカリ(県北)
○新潟 コシヒカリ(上越、下越、魚沼)
○福井 いちほまれ
○長野 コシヒカリ(東信、南信)
○岐阜 コシヒカリ(飛騨)
○静岡 きぬむすめ(東部、中部、西部)、
にこまる(西部)
○愛知 ミネアサヒ(三河中山間)
○滋賀 コシヒカリ
○兵庫 コシヒカリ(県北)、
きぬむすめ(県南)
○鳥取 コシヒカリ、きぬむすめ
○島根 つや姫
○岡山 きぬむすめ
○広島 あきさかり(北部)
○香川 おいでまい
○愛媛 にこまる
○高知 にこまる(県北、県西)
○福岡 元気つくし
○佐賀 夢しずく、さがびより
○長崎 にこまる、なつほのか
○熊本 くまさんの力(県南)
○宮崎 ヒノヒカリ(西北山間、霧島)
○鹿児島 あきほなみ