神社にまつわる基礎知識
Q.神社と寺院の関係とは?
6世紀に日本に伝来した仏教は、当時の最新の建築技術も伝えた。それを用いて建てられた寺院建築は神社に影響を与えたが、そのまま用いることはなかった。いっぽう、お寺でも伽藍(がらん)の安全を願って神を祀るようになり、境内に鎮守社が建てられるようになった。
Q.そもそも神社のはじまりとは?
古代においては、神様は祭のたびごとに神聖な岩や依り代(神霊が宿るもの)となる祭具にお迎えするものであった。そうした施設がしだいに常設のものとなり、そこに雨除けの屋根や礼拝のための建物なども作られるようになり、神社に発展したと考えられている。
Q.日本にはコンビニよりたくさんの神社がある!?
文化庁編『宗教年鑑 令和2年版』によれば、日本の神社の総数は8万4463社(宗教法人として登録しているもののみ)。一番多いのは新潟県で意外にも京都は18位。新潟に神社が多いのは農村に多くの集落が形成され、それぞれに神社を建てたためらしい。
Q.似た名前の神社は同じ神様を祀っている?
神社で祀られる神霊は、松明の火を別の松明に分けることができるように、いくつもに分けて別の場所で祀ることができると信じられている。分けられた神霊は分霊といい、もとの神霊と同じ霊威をもつ。分霊を祀る神社はもとの神社と同じ名前をつけることが多い。
Q.どの神様を祀る神社が最も多いのか?
神社を祭神別に分類し、その数をかぞえてみると、八幡(はちまん)神を祀る八幡宮・八幡神社が圧倒的に多いことがわかる。これは武家の間に信仰が広まったことから全国で神社が建てられたことによると考えられる。3位の天神は主に西日本に分布している。
Q.「神宮」「大社」などの社号にはどんな意味がある?
社号は神社の称号で、神宮・宮・大社・神社・社・大神宮などがある。神宮は伊勢神宮の正式名称で、このほかに皇室ゆかりの神社にも神宮をつけるところがある。大社は地域の信仰を集めている神社や、比較的規模の大きく由緒ある神社についていることが多い。
Q.「氏神(うじがみ)様」は自宅の近所にある神社とは限らない?
もともと氏神は氏族の祖先神や守護神のことで、その一族のみで祀られるものであった。ところが武士が所領の神を氏神として崇敬したことから、地域を守護する神のことを指すようになった。神社ごとに氏子区域が決まっており、近所だから氏神様とは限らない。
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