現在は競馬でよく見るが、古くは家畜や戦に用いられた
12月は、競馬において一年の締めくくりである有馬記念が開催される。多くの競馬ファンが一喜一憂する一大レースである。
現在では、馬と言えば競馬でよく見るが、古くは家畜や戦に用いられた。戦場で大きな役割を果たす馬は重宝された。特に、甲斐国の武将武田氏の騎馬隊は有名である。また、それらの馬を放牧するために全国各地に牧場も置かれていた。
「馬」が付いた名字は多く、馬(うま)・馬木(うまき)・馬坂(うまさか)・馬体(ばたい)・馬〆(まじめ)・馬締(まじめ)・馬目(まのめ)・馬面(ばめん)・馬川(うまかわ)・馬原(まはら)・馬越(うまこし)・馬養(うまかい・まがい)・神馬(じんば)・二馬(ふたば)・馬欠場(うまかけば)・馬飼野(まかいの)・馬見新(まみしん)・馬場先(ばばさき)・馬男木(まなぎ)・流鏑馬(やぶさめ)などがある。
「二馬」という名字の由来は現実の馬ではなく、夢の中の馬である。数百年前、二馬家の先祖は、初夢で道に迷い途方に暮れている時、二頭の馬が現れて道案内をしてくれたおかげで無事に帰ることができたという夢を見た。夢の中とはいえ、初夢で縁起が良いことからそれまで名乗っていた名字を「二馬」に変えたと伝えられている。
正に、夢のような名字である。また、牧場に関する名字も多く、牧(まき)・巻(まき)・牧野(まきの)・牧岡(まきおか)・荒牧(あらまき)・御牧(みまき)・小比類巻(こびるいまき・こひるいまき)などがある。その他にも、馬に関係がある名字では、鞍(くら)・鞭(むち)・鬣(たてがみ)・蹄(ひづめ)・手綱(たづな・てづな)などが存在している。