「風呂(ふろ)」という名字は源義経の伝承に由来
寒の内になり、寒さも一段と厳しくなってきた。こんな時は、ゆっくり温泉に入って体を温めたいものである。
日本は火山国なので、全国各地に温泉が存在している。温泉の歴史は古く、万葉集や日本書紀にも記録がある。文献上で最も古い温泉とされているのは、愛媛県の道後温泉である。
温泉に関係する名字は多く、湯(ゆ)・温泉(おんせん)・湯口(ゆぐち)・湯出(ゆで)・湯元(ゆもと)・湯汲(ゆくみ)・湯目(ゆのめ)・湯面(ゆめん)・湯殿(ゆどの)・温泉川(ゆのかわ)・温泉野(ゆの)・湯野沢(ゆのさわ)などがある。また、鳴子(なるこ)や草津(くさつ)・熱海(あつみ)・箱根(はこね)・伊東(いとう)・有馬(ありま)・白浜(しらはま)・玉造(たまつくり)・道後(どうご)・別府(べっぷ)・霧島(きりしま)など全国的に有名な温泉地の名字もある。三大温泉と称される登別温泉(北海道)の「登別(のぼりべつ)」という名字は存在していない。
家庭には風呂があるが、風呂に関係する名字も存在する。風呂(ふろ)・湯舟(ゆぶね)・桶(おけ)・洗(あらい)・洗場(あらいば)・洗湯(せんとう)などがある。
「風呂(ふろ)」という名字の由来は、有名な武将が関係している。風呂家の言い伝えでは、約800年前に悲劇の名将と言われる源義経が、兄頼朝に追われ東北地方に逃れてきた時にこの名字をいただいたとされる。当時、義経はやっとの思いで峠を越え風呂家までたどり着いた。そこで、風呂家の先祖が風呂を沸かし入浴させたそうである。感謝の意として義経は「風呂」という名字を与えたとされる。