日本には「酒」に関する名字が数多くある
12月は忘年会のシーズンである。忘年会の趣旨は「その年の苦労を忘れる」ことであるが、お酒を飲むことがメインのようにも感じられる。
ところで、お酒は日本では昔から神事に使用されることが多い。「清め」として使われるのもそのような意味合いがあるのかもしれない。日本には各地に多くの蔵元があり、杜氏による美味しい酒が造られている。
そのような関係からか、酒に関する名字も多い。
神酒(みき)や清酒(せいしゅ)・蔵元(くらもと)・杜氏(とうじ)・米(よね)・糀(こうじ)・水(みず)・升(ます)・盃(さかづき)・銚子(ちょうし)などがある。
酒の付く名字も多く、酒井(さかい)・酒入(さかいり)・酒詰(さかづめ)・酒屋(さかや)・酒寄(さかより)・小酒(こざけ)・大酒(おおさけ)・新酒(しんさか)・古酒(こさか)などがある。
新潟県南魚沼地方には、飯酒盃(いさはい)という名字が存在している。実は、「いさはい」という名字の由来は酒とは全く関係がなく、長崎県諫早(いさはや)地方の地名である。諫早から移り住んだ一族が、「いさはや」をいつしか「いさはい」と呼ぶようになり「飯酒盃」を名字とした。同地方には「伊佐早(いさはや)」という名字も存在している。
南魚沼地方は、美味しい米「コシヒカリ」と、「八海山(日本酒のブランド)」の産地である。「飯酒盃」という名字は、まさに、おいしいごはん「飯」とおいしい「酒」で酒盛り「盃」をしていることを想像させる風流のある名字である。「飯酒盃」の名字の人達は、どんな思いで忘年会を行っているのか聞いてみたい。