「将棋さん」はいないけれども…気になる将棋関連の名字
第34期竜王戦で藤井聡太棋士が豊島将之棋士に勝ち、史上最年少の19歳3ヶ月で将棋のタイトル4冠(王位・叡王・棋聖・竜王)を達成した。日本の将棋界に新たなスターが誕生した。
将棋の歴史は古く、古代インドが発祥で中国、または東南アジアを経由して日本に伝わった。日本には平安時代には伝来されていたことが、奈良県奈良市の興福寺境内から発掘された木簡(天喜6年:1058年の年号の記述あり)によって明らかになった。
木簡とともに16個の将棋の駒が発見された。平安時代に書かれた「新猿楽記」という書物にも将棋の記述があることから、将棋は昔から娯楽として親しまれていたことが分かる。
将棋に関係した名字には、駒(こま)・指(さし)・王(おう)・玉(たま)・金(きん・かね・こん)・銀(ぎん・しらがね・しろがね)・角(かく・すみ・かど・つの)・桂馬(けいま)などがある。
「将棋(しょうぎ)」という名字はないが、「将基面(しょうぎめん)」という名字が山口県に存在している。
「しょうぎ」と読むが名字の由来は将棋には全く関係がなく、「将基面」という地名から生まれている。「将基」という地名は、元々は「鍾馗(しょうき)神社」の「鍾馗」であったものが変わったようである。
宮崎県には「五六(ふのぼり)」という難読な名字があるが、由来は将棋に関係がある。将棋において将棋盤の五六(ご・ろく)の目の位置に歩(ふ)が進む(登る)と勝負が優位になるらしい。それで、「五六」と書いて「ふのぼり」となったそうである。