十二支に動物を当てはめた
日本の暦には十二支の干支(えと)があるが、今年(令和4年)は寅(虎)年にあたる。十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)の中で三番目の干支である。
「寅」年は、「演(えん)」が元と言われ、「演ずる」という言葉があるように「人の前に立つ」ことや、「延(えん)」に転じて「延ばす」という意味が込められている。「寅」年は「新しく立ち上がる」「生まれたものが成長する」とのことで縁起の良い年とされている。
「寅」年を「虎」年と書くのは、覚えやすくするために読みに合わせた動物が当てられたからと言われている。子(ね)に鼠、丑(うし)に牛など他の干支も同様である。
干支の寅(虎)に関係する名字は多く、寅口(とらぐち)・寅市(とらいち)・寅貝(とらがい)・寅松(とらまつ)・寅若(とらわか)・寅屋(とらや)・寅垣内(とらがいと)・虎(とら)・虎頭(とらがしら)・虎岩(とらいわ)・虎熊(とらくま)・虎走(とらばしり)・虎渓(とらたに)・虎若(とらわか)・虎渡(とらわたり)・虎杖(いたどり)・虎見根(こみね)などがある。
日本には元々虎はいなかったことから、これらの名字は干支の「寅」にちなんで付けられた名字と思われる。「寅市」は、寅年に開かれた「市(いち)」に関係して生まれた名字かも知れない。一方で、干支は古くは方角を表していたことから、寅の方向(東北東)の位置で「市」が開かれたことから生まれた名字とも考えられる。
寅(虎)にちなんだ名字で寅年生まれの人達は、今年は、どのような思いで新年を迎えたのか聞いてみたいものである。